06.「ピストンポンプのパフォーマンスカーブ」のご利用方法

■パフォーマンスカーブ

ポンプの理論的な最高吐出圧力は、既述の通りポンプレシオから求めることができますが、同じエアモーターではポンプレシオが高くなるほど吐出量は少なくなりますので、より大きな吐出量が必要な場合は、より大きなエアモーターのポンプが必要となります。また、エアパワード®️ポンプは、吐出流量が増加すると吐出圧力が減少する特性があります。この様な要素を総合し、個々のポンプについてポンプヘの供給エア圧力と、その時の材料の吐出圧力、吐出流量の関係およびこれらとエア消費量の関係を示すグラフを「パフォーマンスカーブ」と呼び、このグラフから概略のポンプ性能を知ることができます。

■「パフォーマンスカーブ」は次のような方法で利用してください。
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右下がりの3本のカーブはそれぞれ0.3MPa、0.5MPa、0.7MPaの供給エア圧力の時の吐出圧力と吐出流量の関係を示すものです。まず、使用できる供給エア圧力が、どのカーブに該当するか決めてください。たとえば、使用できる供給エア圧力が0.5MPaの場合は、中央のカーブに注目してください。


●吐出量が0L/min(出ロバルブが閉じている)の時、吐出圧力(ポンプ内圧)は最大となります(A点)。

●出ロバルブを除々に開き、材料が吐出しはじめると、吐出圧力は低下しはじめます。たとえば、左のパフォーマンスカーブで示されるボンプでは、吐出流量が20L/minの時、吐出圧力は0.6MPaとなります(B点)。

●さらに吐出量を30L/minに増加しますと、吐出圧力は、0.4MPaまで低下します(C点)。


したがって、このカーブから、要求される吐出流量と吐出圧力が得られるかどうか判断できます。
なお要求される吐出流量が右側のブルーの部分に入るようであれば、ポンプの連続運転はおすすめできませんので、より大きなポンプをご選定ください。
右上がりの3本のカーブはそれぞれ0.3MPa、0.5MPa、0.7MPaの供給エア圧力の時の空気消費量を示すものです。供給エア圧力0.5MPa、吐出流量20L/minの時の空気消費量は200L/minとなります。(D点)


注意:グラフのブルーの部分でのご使用はお控えください。

◎検査基準使用油種
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※ポンプの吐出量は、「搬送する液材の粘度、比重、濃度など」などによって大きく異なります。上記検査基準使用油も「吐出揚程」「吸込揚程」「圧送距離」「使用温度」などにより変化いたしますのであくまでも目安としてください。