突然ですが、「ダイアフラム」って何かご存じですか？あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、実は皆さんの体の中にもあるんです！
本記事では、その「ダイアフラム」を構造に取り入れた「ダイアフラムポンプ」の原理や構造について詳しく解説いたします。
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目次 ▼ ５. おわりに |
１．ダイアフラムとは？
「ダイアフラム（diaphragm）」とは、直訳すると「横隔膜」のことです。呼吸に欠かせない、ドームの形をした筋肉の一種です。
皆さん、鼻から息を思いっきり吸ってみてください。みぞおちの下のあたりがぐっと引っ張られるような感覚がありませんか？
これは横隔膜の収縮によるもので、これにより息を「吸いこむ」ことができ、肺は空気でいっぱいになります。（図①参照）
次に、息を吐いてみてください。今度はみぞおちの下あたりが緩むような感覚があるのではないでしょうか。
引っ張られた横隔膜が弛緩する（元の位置に押し上げられる）ことにより、息を「吐きだす」ことができ、肺から空気が抜けていきます。（図②参照）
この繰り返しにより、私たちは呼吸をすることができているのです。
重要なのは、
①横隔膜（ダイアフラム）が収縮（引っ張られる） ⇒ 息を「吸いこむ」 ⇒ 肺が息で満たされる
②横隔膜（ダイアフラム）が弛緩 （押し上げられる）⇒ 息を「吐きだす」 ⇒ 肺から息が出ていくということです。
このポイントをダイアフラムポンプに置き換えてみると．．．
①ダイアフラムが引っ張られる ⇒ 液材を「吸いこむ」 ⇒ ポンプ（チャンバー内）が液材で満たされる
②ダイアフラムが押される ⇒ 液剤を「吐きだす」 ⇒ ポンプから液材が出ていく
この動作を繰り返すことで、ダイアフラムポンプは液材を移送します。
私たちが息を吸ったり吐いたりするように、ダイアフラムポンプも液材を吸い上げて吐き出す。ダイアフラムポンプって、実はとてもシンプルなんです！
詳しい作動原理は3. ダイアフラムポンプの原理で解説します。
２．ポンプの種類
ダイアフラムポンプの原理の解説をする前に、ポンプの種類について簡単にご説明します。
ポンプの種類は、大きく分けると２つあります。「非容積式」と「容積式」です。これに分類できない仕組みを持つポンプは「特殊型」に位置付けられます。
「非容積式ポンプ」は、ポンプ内部で羽根車を回転させ、それによって生じた遠心力で液材を移送します。
一方、「容積式ポンプ」は、"一定の空間"にある液材を往復運動または回転運動により圧力をかけて移送します。
ダイアフラムポンプはこの容積式ポンプに分類されます。
ヤマダのダイアフラムポンプで言うと、"一定空間"はポンプ左右の"アウトチャンバー"と呼ばれる材料室のことを指し、このチャンバー内に左右の往復運動で圧をかけ液材を移送します。
３．ダイアフラムポンプの原理
ヤマダのダイアフラムポンプは、ダブルダイアフラム（２枚のダイアフラム）が採用されています。センターロッドと呼ばれるシャフトの両端に固定されているダイアフラムが左右に繰り返し動くことで、ポンプは液材を吸入・吐出します。
「1. ダイアフラムとは？」で解説した通り、ダイアフラムポンプは"ダイアフラム"と呼ばれる部品が引っ張られたり、押されたりすることで液材を吸い上げ、吐出します。まずはそのポイントを中心にダイアフラムポンプの動きを解説します。
◆ 液材吸い込み時の動き
ダイアフラムが引っ張られると、液材入口のボールバルブが持ち上がると同時に、液材出口のボールバルブが閉じ、液材がポンプ内の材料室（チャンバー）に吸い込まれます。
◆ 液材吐出時の動き
ダイアフラムが押されると、今度は液材出口のボールバルブが持ち上がり、同時に液材入口のボールバルブが閉じ、液材がポンプの外へ吐出されます。
また、液材の出入り口のボールバルブ（逆止弁）により、液材は逆流することなく常に出口に向かって流れていきます。
この章の冒頭でご説明した通り、ヤマダのダイアフラムポンプは"ダブル"ダイアフラムポンプです。
ダイアフラムが２枚あり、液材が入っていく"材料室"（チャンバー）も２つあります。左右対称の構造で、片方の材料室では液材を吸い込み、同時にもう片方の材料室からは液剤が吐出される仕組みになっています。
ポンプ中心部のセンターロッドと呼ばれるシャフトが左右に動き、両端のダイアフラムを押したり引いたりすることで、ダイアフラムポンプは、液材を常に移送することができるのです。
４．動画で見る！ダイアフラムポンプの動き
では実際に、ダイアフラムポンプがどのように液材を移送しているのか、ダイアフラムやボールバルブの動きに注目してご覧ください。
５．おわりに
「ダイアフラムって何？」「横隔膜のポンプってどういうこと？」と思っていた方が、ダイアフラムポンプを少し身近に感じていただけたら幸いです。
ヤマダのダイアフラムポンプについてもっと詳しく知りたい！という方は、こちらも併せてお読みください。
