01.ピストンポンプの作動原理

■エアパワード®ポンプとは
エアパワード®ポンプは、圧縮エアによって駆動されるレシプロケート(往復運動)型のポンプです。ポンプを駆動するエアモーターと、材料を汲み上げる下ポンプによって構成されています。

エアモーターに圧縮エア(0.1~0.7MPa)が送り込まれると、エア切替機構の働きにより、エアピストンが上下の往復運動を開始します。
この動きは、エアモーターのエアピストンと下ポンプのピストンを結ぶ接続ロッドによって下ポンプに伝えられ、これに上下の往復運動を与えます。

下ポンプのピストンの往復運動により、材料は下ポンプ内に汲み取られ、吐出口から吐出します。また、エアパワード®ポンプは、汲み出す材料、用途によって単筒型、分割型などに分かれていますので、それぞれ用途に最適のポンプを選択することができます。
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■ポンプレシオ
ポンプレシオは、エアモーターの有効断面積(A)と下ポンプの有効断面積(B)との比で表わし、通常(B)を1として表示します。
たとえば、エアモーターの有効断面積が100cm ²、下ポンプの有効断面積が20cm ²のポンプの場合、ポンプレシオは100:20、これを約分すると5:1となり、ポンプレシオ5×1(5対1)と表示します。

ポンプレシオは、エアポンプの特性の重要な要素で、ポンプの最高吐出圧力(理論値)は、供給エア圧力にポンプレシオを掛けた値となり、上記の5×1のポンプを供給エア圧力0.7MPaで使用した場合、最高吐出圧は3.5MPaとなります。

すなわち、ポンプレシオを各種設計することにより、同じ供給エア圧で使用しても、低い吐出圧力のポンプから極めて高い吐出圧力のポンプまで作ることができます。

ヤマダのエアパワード®ポンプは、一般に使用されているだけでも1×1 から65×1のポンプがあり、これらのポンプを供給エア圧力0.7MPaで使用すると、その吐出圧力は最高 45MPaにもなります。
一般に、粘度の低いものほどポンプレシオが低いポンプを使用し、粘度が高くなるとポンプレシオが高いポンプが必要になります。

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